1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ワン・チアチーは、敵対する傀儡政権下特務機関の顔役イーに近づき、暗殺の機会をうかがっていた。危険な逢瀬を重ねるうちに二人は、死と隣り合わせの日常から逃れるように、暴力的なまでに激しく互いを求め合う。だが、二人のスリリングで危険に満ちた禁断の愛は、時代の大きなうねりの中で運命的なラストへとなだれ込んで行く…。
『ブロークバック・マウンテン』からわずか2年、再びヴェネツィア国際映画祭の頂点を制したアン・リー監督の最新作は、前作以上に衝撃的、かつ挑発的な愛の問題作だった。原作は、実在の女スパイと特務機関の工作員をモデルにして書かれたと言われるアイリーン・チャンの同名短編小説。戦中・戦後を通して中国で絶大な人気を誇った女性作家の掌編の映画化は大きな関心が寄せられ、香港、台湾では歴代の興行記録を塗り替え、ニューヨークでも外国語映画として最高のオープニング記録を達成。その後も全米に拡大公開され、ボックスオフィスの上位にランクインし続けている。さらに、中国映画として初めて性表現の限界にチャレンジした本作は、そのセンセーショナルな話題とともに、もはや大きな社会現象と化している。運命の女性ワンを演じるのは、新人女優タン・ウェイ。また、イー役をトニー・レオンが硬質で重厚な男してストイックに演じきり、これまでのイメージを払拭し新境地を開いた。(作品資料より)


