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仕事術のカリスマ! 中島孝志の「おとなの仕事 相談室」
最終回

早く決断し、行動に移すためには?

「中島先生、はじめまして。私はさまざまなことについて決断し、行動するまでに時間がかかってしまうのが悩みです。
 たとえばメールやレポートを作るとき、文章をあれこれ考えて悩んでしまうため仕上がりまで長くかかります。また、やらなければいけない仕事があるとき、考えているだけでは何も進まないとわかっているのですが、うまくできるだろうかと二の足を踏んでしまいなかなか動き出せません。スピードが求められる会社の仕事も、うまく進められていない気がします。
 どうしたら、早く物事を決めたり行動したりできるようになるのでしょうか?」
診断
 な〜るほど、困りましたね。いまや、仕事には完璧さだけでなく、スピードも求められてますからね。

 たとえば、得意先に渡すプレゼン書類を頼んだのに、締切が過ぎてから届いてもなんの役にも立ちません。たとえどんなに素晴らしい内容であっても、それでは賞味期限切れですね。

 仕事には「内容」と「予算」、そして「時間」の3つが必ず問われるんです。

 では、どうしてあなたの仕事が遅いのか? 逆に言えば、なにかが邪魔しているために早くしずらいわけですね。それはいったいなんなのか? コインの裏表になるかもしれませんが、少し分析してみましょう。

仕事が早くできない理由
(1)仕掛かりが遅い。
(2)不安が先立つ。
(3)完璧主義。
(4)お手本になるケースや事例が足りない。
(5)計画的に進められない。

 こんな理由が考えられますね。
処方箋
 あなたのように、あれこれ考えてしまってスタートが切れない人は少なくありません。 けど、これはこれでいいとわたしは考えています。

 というのも、実はわたしもそうなんだからです。

 たとえば、設計図を描かなければならないとき、いきなり鉛筆と線引きで書き込むようなことはできません。あれこれ考えて、思考を巡らし、「これでいいかな」、「こっちの方がいいかも」と散々迷って、ようやく決まる。それからおもむろに描き始めるタイプなんです。

 どうしてこれでもいいかというと、設計図がいちばん重要だからです。重要だからこそ、少しでもベターな内容になるようにとことんアイデアを練り上げたいと考えているからです。

 しかし、いったん決まったらあとは早いです。電光石火で仕上げてしまいます。一心不乱に集中してやり遂げてしまいます。

 そうなんです、仕事には次の二つの要素があるんです。

(1)プランニング
(2)オペレーション


 プランニングとは設計図を描くことです。オペレーションとは、その設計図に基づいてどんどん形にしていく作業のことです。

 この二つは似ていますが、仕事の種類、内容はぜんぜんちがいます。

 「仕事が早い」と言われる人は、このプランニングとオペレーションの両方が早いのです。関西商人はこれを「考動」と読んでいます。考えながら動け、という意味です。

 プランニングが早い理由は、いろんなケースを知っているからです。情報に秀でているからです。

 オペレーションが早いのは、他人に任せることが巧いからです。他人に仕事を任せるには、頭の中が複線化できていないとできません。この仕事はAさんに任せる。この仕事はBさんに任せる。それらが完成したら、二つの仕事をCさんにつなげる……というように、複数の仕事が同時に進んでもいいように、スタートからゴールまでの段取りがきれいに整っているのです。

 一方、仕事が遅い人は頭の中が複線ではなく単線になっています。こうなると、同時並行的に仕事を進めることなんて無理です。Aの仕事が終わったらBの仕事、これが終わったらCの仕事にとりかかる……というように作業が単線なのです。

 「同時にできるのに!」

 「無駄な時間無しにリレーできるのに」

 周囲をがっくりさせるのも、こんなタイプのビジネスパースンです。

 さて、では、どうすれば、仕事の早い人になれるのでしょうか? いちばんいいことは、頭の中でその仕事が最短時間、最小コスト、最善の成果を生むために、いつもシミュレーションできるように仕掛けておくことです。「仕掛け」というより、これは脳みその癖づけ=習慣づけです。

 そうやって作ってきたものを、お互いに活用できるように共有財産化するのです。これがほんとうのナレッジマネジメントになります。

 材料さえあれば、決断も実行も早くなると思います。要は、まだ材料が少なすぎるのです。

 もっと勉強して情報武装してください。お願いします。

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 最終回 早く決断し、行動に移すためには?

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(2008年4月16日)
中島孝志さん 中島孝志(なかじま・たかし)
東京都出身。早稲田大学卒、南カリフォルニア大学大学院修士課程修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。会社経営、ジャーナリスト、経営コンサルタント、映画プロデューサー、大学・ビジネススクール講師など多彩な顔を持つ。ビジネスパースンの勉強会「キーマンネットワーク」「原理原則研究会」を23年間主宰する。『インテリジェンス読書術』(講談社)、『仕事の道具箱』(青春出版社)、『このすごい思考術を盗もう!』(プレジデント社)など、著訳書180冊超・プロデュース500冊超。国際健康科学会所属(評議員)。笑って泣けるビジネスブログは超人気。
http://www.keymannet.co.jp→
イラスト●中村純司

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