social 知ってる? 保険料設定のこんなカラクリ
結婚や出産のときに気になるのが生命保険。たとえば、「もし自分が死んだ場合、家族に3,000万円遺せる保険」という条件で保険会社の商品を比較検討しようと思っても、これがなかなか難しい。特約内容や毎月支払う保険料など、千差万別。そもそも、どうしてこの金額になるのかもよく分からない。一体、保険料とはどのように決められるのだろうか。インターネット専門の生命保険会社「ライフネット生命保険」の副社長、岩瀬大輔氏にお話を伺った。
「保険料の決まり方は、本来とても簡単なんです」と岩瀬氏。「契約者が支払う保険料は、大きく分けて2つの要素で成り立っています。もしものことがあったときに支払われる保険金の原資となる『1 純保険料』と、保険会社の運営経費である『2 付加保険料』。1の純保険料は厳密に言うと、死亡など保険事故が発生する確率が係る部分と、保険料の一部を保険会社が運用する際の利回りである“予定利率”が係る部分で構成されています。2の付加保険料は、営業職員の人件費や代理店の手数料など保険会社の運営経費と、利益です」(岩瀬氏)。
なるほど、保険料には保険会社の経費も含まれているのだ。それならば、たとえば営業職員をたくさん抱えて対面型で保険を販売する保険会社と、インターネットで消費者がダイレクトに保険を選べる保険会社では、保険料に差が生まれるのもうなずける。しかし、保険料のうちいくらが純保険料で、いくらが付加保険料なのかがよく分からないのだが……。
情報量で不利な消費者は、高い買い物をさせられている!?そうしたことを多くの消費者が把握していない点が問題、と岩瀬氏は指摘する。「昨年11月にライフネット生命は業界で初めて、付加保険料を開示しました。実は、保険料のうちいくらが付加保険料なのか、今までどの保険会社も開示していなかったのです。情報量について、売り手と買い手の間に大きなギャップがありました。結局消費者は保険料の内訳がよく分からない状態で、営業職員が勧める保険を選ぶことに。中には、驚くほど高額の付加保険料が含まれているものもあるでしょう。
生命保険というのは多くの人にとって、生涯で家の次に高価な買い物です。本来はその価格の内訳をしっかり理解し、納得して購入することが大切なはず」(岩瀬氏)。
たしかに、調べたり検討したりしないで家を買う人はいない。一度契約すれば何十年にもわたって保険料を支払い続けることになるのだから、そのうちいくらが保険金の原資でいくらが保険会社の経費なのか、しっかり把握しておきたい。そして納得したうえで保険を選びたいものだ。
生命保険のカラクリが無料で分かる!納得できる保険を選ぶために必要なことを岩瀬氏に尋ねると、「なにより、生命保険の仕組みをしっかり知ること」ときっぱりとした答えが返ってきた。「これまでの生命保険には、ほかにもさまざまな問題点があるんです。もともと私は生命保険について、売り手と買い手との間の情報ギャップに問題意識を持っていました。それで、その解消を目指して、自分が生命保険について学ぶなかでつくった資料をまとめて本にしたんです」(岩瀬氏)。
それが昨年10月に発売された『生命保険のカラクリ』。これがとても好評で、発売3カ月で6刷、発行部数は29,000部に達した。「しかし、さらに多くの方に読んでいただきたい、そして納得できる保険選びをしていただきたいという思いから、この本を1冊丸ごとインターネット上で無料公開することにしました」(岩瀬氏)。
特設ページにアクセスして年代と性別を答えると、PDF形式で本の全文をダウンロードできる。本来お金を出して購入する情報が、タダで手に入るのだ。
ダウンロードに関する情報はこちらから
「保険は、知識が増えればその分だけトクできる分野。この本を読んだ人と読まない人では、一生涯で支払う保険料に数百万円の差が出るかもしれませんよ(笑)」(岩瀬氏)。
Young Global Leader(YGL)2010選出。
文●西村尚恵



