social 夏のかゆみは汗と紫外線が原因?
夏になると気になる皮膚のかゆみ。その原因や正しい予防法を皮膚科専門医に聞いてみた。
紫外線と汗が夏のかゆみが引き起こす
山本皮フ科クリニック院長の山本向三先生は、夏のかゆみが起こる原因として、強い紫外線、虫さされ、植物によるかぶれ、エアコンによる乾燥などが挙げられ、暑さによる温熱刺激や汗がさらにかゆみを悪化させていると説明する。
強い紫外線を浴び続けると、将来的に皮膚がんの原因になるばかりか、体質によっては短時間であっても、太陽光の刺激が原因となり皮膚内部からヒスタミンが過剰に分泌され、日光過敏症や日光じんましんを引き起こすことがある。かゆみ、赤みや腫れが短時間のうちにあらわれるのが特徴で、場合によっては頭痛や吐き気が伴うこともあるそうだ。日光が当たらないよう配慮すればこれらを避けることができると山本先生は話す。
汗によってかゆみが起こることもある。汗に含まれる尿酸やアンモニアなどの老廃物が、皮膚の上で濃縮され、皮膚の神経細胞を刺激するため、汗をかいた後は皮膚がかゆくなるそうだ。特にアトピー性皮膚炎など、もともと皮膚炎がある場合は、アレルゲンやほこりなどと同様に汗の刺激物質も皮膚内に容易に取り込んでしまうため、汗をかきやすい夏場は悪化しやすくなると言われている。
かゆいからと患部をかくのはNG。かいた刺激で皮膚のバリアー機能が傷つき、さまざまな刺激因子やアレルギー物質が皮膚内に侵入しやすくなり、さらにかゆみを発生させる。そして、さらにかいてしまい皮膚のバリアー機能をもっと傷つけるという悪循環を引き起こし、かゆみを悪化させる。かゆみ止めを使用し、かかないよう気をつけるだけでも治りが早くなるそうだ。
こまめな汗のケアが効果的
かゆみを発生させないための予防ケアはあるのだろうか。山本先生は、「スキンケアの第一は悪化因子を取り除くこと」と言う。汗や汚れなどの刺激物質を十分洗い流すことが大切で、1日2回のシャワー浴がオススメ。ただ、タオルやブラシでごしごしこすったり、刺激の強いせっけんを使うと、かえって皮膚バリアーを壊すことになってしまうので、日中のシャワー浴はさっと水で洗い流すだけで十分とのこと。
「群馬県内の小学校でシャワー浴が遂行できた53名の小児で、全例にアトピー性皮膚炎の改善がみられたという報告があり(※)、汗に対してのスキンケアが重要という認識が高まっています」(山本先生)。
シャワー浴ができない場合は、ぬれたタオルで速やかにふき取るだけでも効果が高いそうだ。
夏のかゆみ対策は、紫外線対策とこまめな汗のケアがポイントと言えるだろう。汗は体臭の原因ともなるので、汗をかいた後は、きれいさっぱり汗のケアを行い、夏場でもさわやかなビジネスパーソンを目指してみてはいかがだろうか。
※厚生労働科学研究補助金,免疫アレルギー疾患予防治療研究事業,平成17年度研究報告書:アトピー性皮膚炎患児における小学校でのシャワー効果の解析文●丸山寛子(エフスタイル)




