social “育休切り”にある女性たちの悩みとは?
少子化や晩婚化が叫ばれて久しく、働く女性の育児休暇取得率は、今や約9割に達する(平成19年度雇用均等基本調査より)。しかしその裏で、育児休暇の申し出や取得を理由にした解雇や減給等が横行し、“泣いている女性”も急増しているという。
復帰後、異動させられ嫌がらせの毎日……
今年6月、某ゲームソフト会社の女性社員が、育児休暇から復帰すると降格と減給をされたとして、会社を提訴したというニュースがあった。しかし、多くの人は、悩みを抱えたまま泣き寝入りするばかり。まずは、建設会社の下請けでパート勤務している美絵さん(仮名・29歳)を紹介。
「育児休暇後、今年仕事に復帰しました。ところが、復帰してすぐに異動を命じられ、閑職に……。今の仕事といえば、誰でもできるような社内の雑務ばかり。建設業は男社会なので、お茶出しは当たり前、オバサン上司にはぞうきんでトイレを掃除しろとか、会社の前にある犬のフンを片付けてこいとか、本当に嫌がらせのような毎日です」(美絵さん)
これまで見積もり業務や会計を担当し、曲がりなりにも誇りをもって取り組んできた。日々悩みながらも、「このまま辞めるのだけは絶対にイヤ」と、負けず嫌いの美絵さんの闘争心に火がついている。
不当な退職を強要させられ……
自動車関連会社で勤務する直子さん(仮名・34歳)は、この不況下ならではの悲しい事例だろうか。
「最近まで育児休暇を取っていて、会社に復帰する時期の相談をしていたんです。ところが、この不況で会社の経営が悪化したことが原因で、会社からは『そのまま退職をしてみないか』と持ちかけられました。ただ、私の休暇中に社員を雇っていたようなんです。それなのに、私だけなんて理不尽ですよね」(直子さん)
地元の顔見知りばかりの小さい会社のため、泣く泣くリストラを受け入れるしかないと、半ば諦め顔だ。
育児休暇は一定条件を満たせば、男女を問わず誰でも取得でき、休暇の申し出や取得で、解雇や降格、減給など不利益な取り扱いは「育児・介護休業法」で禁止されている。もしそのような不利益を受けるようであれば、各都道府県の労働局雇用均等室への相談を考えてみるのがいいだろう。
閑職に追いやり自主退職に追い込んだり、不当な退職強要による“育休切り”が横行するような社会では、安心して子どもを産むことは望めそうもない。本当に“産みやすい社会”はいつ実現されるのだろうか。団塊ジュニアが結婚・出産する年齢を考えると、これから5年程度が少子化対策の勝負と言われ、緊急の課題となっている。残された時間は、もう少ないというのに。
文●影山 薫




