social そう簡単に梅雨を予測できない理由
5番目の季節ともいわれる本格的な雨のシーズンがやってきた。気象庁は18日、沖縄と奄美地方が梅雨入りしたとみられると発表した。
沖縄の梅雨入りが遅れた訳
平年だと沖縄地方の梅雨入りはゴールデンウィーク明けごろ。だが今年は、平年より10日遅れた。中国大陸から日本付近に雲の帯がくっきりしてきたのが、5月半ばだった。
沖縄の梅雨入りが遅くなった要因を、気象庁気候情報課の予報官の渡辺氏が解説してくれた。「太平洋高気圧の張り出しが弱かった。さらに東シナ海の海面水温が低く大気が安定していたため、前線も雲もできにくい状態が続いたのです」
梅雨前線は、北のオホーツク高気圧と南の太平洋高気圧のせめぎ合う部分にできる。高気圧の勢力の関係性がちょっと変わっただけで、梅雨前線の動向が変わってしまうとても微妙なものなのだ。
難しいのにニーズが多い「梅雨予想」
では、今後の見通しはどうなのだろうか。
渡辺氏によると、今夏の梅雨前線は平年並かやや活発と予測しているというが、今の技術では、梅雨前線のふるまいを明確に予測するのはかなり厳しいという。現象が東アジアの非常に広い範囲にわたってみられ、様々な要因が複雑に関連しあっているからだ。
そんななか、民間の気象情報会社ウェザーニューズ(WNI)が毎年5月に、その年の「梅雨傾向」を発表している。およそ2カ月以上先の梅雨明け日や雨の降り方まで予想する、一歩も二歩も踏み込んだ情報となっている。
たとえば、関東甲信地方の梅雨入りは6月8日で、梅雨明けは7月16日。降り方は、6月中はシトシト冷たい雨で、7月に入るとメリハリのある梅雨の天気になりそう、といった内容だ。
広報担当者によると「社会からのニーズが非常に多いので、国内外20名ほどの有識者の見通しを一般向けに加工している」という。しかしやはり「梅雨を終わりまで予想するのはとても難しい」というのが本音だそうだ。
梅雨にどんな雨がどれだけ降るのか、といった情報は、シグナルが現れてから始めて予測できるようになるものも多い。予測や予報は生ものと同じ。常に最新のものを利用するように心がけたい。
文●加藤順子(気象予報士)




