international アイスランドが破綻寸前? その原因は
A「この前、貸した1万円だけど、返してくれない?」
B「ゴメン。今、持ってないから少し待ってよ」
――友人同士だとありがちな会話だが、企業や国家でこんな会話がなされたら、信用に関わる大問題。しかし、サブプライムローン問題に端を発した金融危機の影響で、新興国を中心にこのような危機が迫っている。殊に深刻な事態に陥っているのが、アイスランドだ。
世界マネーを呼び込んで金融立国へ
一体、アイスランドでは何が起きているのか?
「アイスランドはEUよりも高金利のため、海外から資本が流入しました。2008年の初めには、アイスランドの銀行の総資産はGDPの約10倍にまで膨れ上がったのです」(欧州経済に詳しい大手証券会社エコノミストK氏)
低金利のEUでお金を借りて、高金利のアイスランドで運用する、いわゆる「キャリートレード」だ。そして、その膨大な資産を武器に積極的に海外でM&Aに打って出たりと、世界が“金融立国アイスランド”の成功をもてはやす向きがあった。そんなところにサブプライムショックが起き、歯車は逆回転を始めた。
通貨安が引き金となって破綻危機に
「米国発サブプライムローン問題が表面化し、世界中の金融機関は信用不安から資本を引き上げ始めました。特にリスクの大きい新興国、高金利通貨から売られていったのです」(同)
高金利によって集まった海外資金は、逃げ足も速かった。アイスランド・クローナの下落に歯止めがかからず、外貨建て対外債務の負担が拡大。海外資本に依存しているアイスランドの金融システムは崩壊寸前だ。そこで、IMFに支援を要請し、約2,000億円の緊急融資で暫定合意となった。しかし、10月27日にはアイスランド最大手・カウプシング銀行がサムライ債の利払いを見送り、債務不履行(デフォルト)となるなど、まだまだ予断を許さない状が続く。
高金利に裏付けられ、海外資本流入で支えられた“アイスランドモデル”は瓦解し、人口30万人強の“小さな金融大国”が今、国家破綻の危機に直面しているというわけだ。
文●影山 薫



