MBAホルダーに聞く

第1回:「自身のキャリアプランを考えた時、そこに見えたのがMBAだった」
寺尾 健治さん(32歳)
東京大学文学部卒業。
Georgetown University, Mcdonough school of business,2002年卒。

外資系石油会社の財務・会計部門に約5年勤務した後、MBAを取得。現在は、外資系コンサルティングファームであるA.T.カーニー株式会社にてマネジメントコンサルタントとして活躍中。

A.T.カーニーについて
1926年に米国シカゴで創立された近代コンサルティングの草分け的存在で、世界的に見ても非常にユニークで画期的な経営コンサルティング・ファームである。世界30カ国以上、約60カ所の拠点と約3,000人のプロフェッショナル・コンサルタントによって形成されている。
Q
そもそもMBAを取ろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?
A
 ビジネスの概念に「マネジメントコンサルティング」というものがあります。これは私の掲げるテーマでもあるのですが、単なる実務の一分野としてではなく、総合的に企業経営に向き合うコンサルティング業務のことです。そうですね、経営者の視点でビジネス全般に関わるといったらイメージしやすいでしょうか。そんな仕事への取り組みがしたかったんです。そのためにどんな勉強が必要かを考えました。すると、やはり特定の科目の勉強だけではダメなんだという結論に達したんです。財務・会計、あるいはマーケティングといった会社経営に必要なすべての領域を総合的に学ぶ必要があると……。そして、達した結論がMBAの取得だったということです。
Q
それはやはりビジネスの現場で感じたことなのですか?
A
 大学卒業後に就職した会社は、まさに自分の価値観にあった組織でした。そこで過ごした数年間は、自分にとって有意義な経験でした。“現状ではダメ”といった閉塞感や危機感があったわけではないんですが、日々の仕事において「さらに自分の目指す理想を極めたい」、そう考えた時にMBAが見えてきたということです。いま考えると、これには企業風土や職場の先輩・同僚の影響も大きかったと思います。当時のトップも上司もMBAホルダーでしたし、会社が率先して後押ししていたこともあり、MBA取得者は少なくなかったですね。そんな環境の中で働くことができましたので、実際の業務とMBAの密接なつながりを感じ取ることができました。
Q
職場環境も大きな影響を与えたということですね?
A
 当時の東燃という会社には「若いうちは勉強をおろそかにするな」という社風があるんですよ。仕事はキチンとする、そして勉強もシッカリとするという文化です。私も当然、MBA留学も視野に入れたプランを意識していました。そもそもこの会社の経営理念として、MBA取得者が活躍できる素地があり、そのうえで業務レベルを向上するしくみができていたんだと思いますね。MBAというものが、どのように実務に活かされるのか、理解しやすかったですしね。
Q
現在は企業コンサルティングのお仕事に就かれていますね
A
 クライアント企業のマーケティング戦略、M&Aコスト削減、ビジネスの再構築まで、経営者の課題解決をお手伝いするという仕事が中心となります。つねに結果を出すことを求められる点は大変ですが、この仕事ならではのやり甲斐や面白さも感じています。例えば、大手企業のトップに対して私自らがプレゼンテーションを行うこともあります。こうしたことは、コンサルタントという仕事でなければ、なかなか経験できないのではないでしょうか。経営コンサルタントという仕事は企業経営のトップの方とお会いすることも多く、こうしたお付き合いを通じて、実にさまざまなことを勉強させていただいています。
Q
そうしたお仕事の中でMBAスキルはどのように活かされていますか? 
A
 スキルの面から言えば、MBAで学んだ知識が業務進行の前提となっていると言えると思います。コンサルティング業務で求められる知識やノウハウの多くが、MBAで学ぶケーススタディに詰まっていますから。経営コンサルティングという業務は、さまざまな専門知識と、地を這うような地道なファクトの収集の両方が揃っていなければできません。この両方があってはじめて、経営者と同じ土俵に立って考え、コミュニケーションを図ることができるんです。 でも、MBAという資格そのものに価値があるわけではありません。MBAはそれ自体が特定の業務や権利を保障するものではありませんからね。結局、MBAで学び、身につけた知識やスキル、人的なネットワークを実務のなかでどれだけ発揮できるかということに尽きると思います。
Q
MBAは単なる実務スキルではないということですね?  
A
 そうですね。もちろんMBAホルダーを交えた打ち合わせや会議では、MBAスキルの前提がスムーズな進行を促すことになると思います。なぜならMBAスキルがある種の共通言語の役割を果たしますから。しかし単なる知識だけであれば、教科書から勉強するだけで足りるはずです。私がビジネススクールで学んだのは、むしろ仕事に取り組む姿勢や強固な意志など、モラルの側面の方が大きかったように思います。そのあたりを抜きにMBAについて語ることはできないと思うのです。
MBAとは
「Master of Business Administration(経営学修士号)」の略で、大学院レベルで経営学を学ぶプログラムを指す。MBAは、多くの場合、銀行や商社に勤めるビジネスマンのように営業や金融関係で働いている者、そして男性が目指す学位、と誤解されがちだが、実はそうではない。あらゆる分野において、男女を問わず、将来のマネージャー、リーダーを育てるためのプログラムである。

MBAの分野
MBAプログラムには、ある分野に特化したプログラムを持っているところもあるが、代表的なものとしては以下のようなものがある。
・Accounting
・Entrepreneurship (起業)
・Finance
・General Management
・Human Resource Management(人材管理)
・International Business
・Management Information Systems(情報システム管理)
・Marketing
・Nonprofit Organizations(非営利団体マネジメント)
・Production/Operations Management
・Quantitative Analysis(数量分析)


どのくらいの人がMBAを目指すのか? 
毎年800〜900人前後の日本人が、アメリカの大学院レベルでMBAを含めビジネス、マネジメントといった分野を勉強していると推定される(Institute of International Education出版Open Doorsによる)。MBAに出願するにはかかせないGMAT(Graduate Management Admission Test)の日本人受験者は年々増加の傾向にあり、98-99年では、5,000人を超える受験者が報告されている。ただし、これは述べ人数であり、同一出願希望者が複数回受験すると想定すると、受験者数はその1/2とも1/3とも考えられる。

協力
ザ・プリンストン・レビュー・オブ・ジャパン
ザ・プリンストン・レビューは、1981年にニューヨークで設立。全米60都市500校、日本を含む世界14カ国で、年間100,000名以上を指導する全米屈指の、大学や大学院の留学指導・入学試験対策校である。ザ・プリンストン・レビュー・オブ・ジャパン (TPRJ) は、1989年にアンドリュー・スミス・ルイスにより日本における唯一のフランチャイズとして設立され、海外の大学・大学院留学を目指す人の合格までをサポートする留学指導・入学試験対策のエキスパートとして急成長を遂げてきた。今日では、厳しい訓練を受けた30名の講師とカウンセラーなどのスタッフ、独自の開発による模擬試験のコンピューター分析、そしてオリジナルのテキストなどにより、SAT、GRE、GMAT、LSATやTOEFL、その他出願準備カウンセリング・プログラムなどのサービスで、世界のどの試験対策校よりも受講生のスコアを伸ばしている。
(2003年8月4日)

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