駆け出し社長さんから学ぶ「独立・起業」というイキカタ!
独立・起業の初歩の初歩 独立起業の初歩の初歩

 独立・起業して間もない社長さんに独立・起業というキャリアの本当のところをインタビューする連載「独立・起業の初歩の初歩」。

 第2回目は、ベンチャー企業の支援を行っているPE&HR株式会社の山本亮二郎さんのインタビューをお届けします。

 ベンチャーなのにベンチャーに支援するという興味深い構造の会社を立ち上げるにあたっての面白さ、つらさとは?

PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎氏
山本亮二郎さん
PE&HR株式会社 代表取締役

URL : http://www.pehr.jp

スウェーデンハウス株式会社、株式会社インテリジェンス、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社を経て、2003年5月に独立・起業。ベンチャー支援には「投資」と「人材」の融合が必要と感じ、自らの理念を具体化すべく日々奔走している。
山本亮二郎さん

「時期が来た」

Q 事業概要について教えてください。
A  PE&HRは、その名前のとおり、プライベートエクイティ投資(=PE)と人材(=HR)の二つがベンチャーにおける重要な支援要素であると考え、経営資源であるカネとヒトとを組み合わせることで効果的な支援を行っていこうと考えています。いわゆるベンチャーのインキュベーション組織と言えますが、最近は若手の起業家育成のためのセミナーなども開催しています。
Q 起業のきっかけについて
A  20代半ばからいずれは独立してやる、という意識が芽生えてきていました。でも具体的になったのはインテリジェンスで働くことになったときで、身近な環境で創業メンバーがすさまじい働き方をしているのを見ていたわけですよ。これは本当にパワフルでした。父親は事業家でしたが、仕事を通じて起業家を見たのはそのときが最初だったんです。これは本当に勉強になった……。
 その後、縁があってフューチャーベンチャーキャピタル株式会社(以下FVC)に入社しました。当時、お金は少々ありましたが独立するには準備が足りないなと感じていたので、勉強の意味も込めて小規模で創業直後の会社で働いてみようということでFVCに参加しました。東京にずっといた自分にとっては、関西の市場を見る、マーケティング調査するという目的もありましたね。
Q いろいろな会社で経験を重ねながら、徐々に起業意欲が目覚めてきた、ということですか?
A  直接の独立・起業のきっかけは、「時期が来た」というひとことに尽きると思います。起業するには純粋に「何かしらをなす」という正のエネルギーと、不満の多い現状を自分で何とかしてやろうという負のエネルギーの両方が必要だと思うんですよね。自分の場合は、いろいろベンチャー支援に関わりながら、自分だったらもう少し違ったやり方をするな、と。「もっと人材面での支援を充実させなければ」という考え方があって、「だったら自分でやろう」と思ったことがきっかけですね。そしてその時期がついに来るべくして来た、という感覚なんです。
Q 2003年5月に設立して、7月から今西さんが会社に参画してくれていますね。
A  この出来事は会社にとっても非常に大きなことでしたね。たいていのベンチャーの場合、1年間ほど人が集まってこないことなんて、よくあります。起業して自分にとって岐路だったことが何度かあるけれども、そのひとつは、今西くんが登記直後の資本金500万円のペーパーカンパニーという状況で参画してくれたことでしょうね。今西君が参加してくれたことと、その後の増資(現在は資本金3,000万円)が完了して初めて事業がスタートしたと言えるでしょうね。
Q 今西さんもよく決断されましたね。
A 【ここで今西さん登場……】 自分の場合は、前の会社(FVC)時代から山本さんにはいろいろなお話を聞いていたし、自分の興味対象と限りなく近い事業分野であったので、それほど思い切った、という感覚はありませんね。
 自分にとってベンチャーキャピタルという事業形態は、金融屋というよりもむしろ創業支援という立場で捕らえていたし、そういう意味ではいま山本さんがやろうとしている創業直後の支援というのは自分のイメージにぴったりだったんです。会社にいたときも、山本さんと僕は会社から家が近かったのでよく夜な夜な話をさせてもらってましたね。

創業者の持ち株比率は少なくするべきではない

Q 会社設立のための資金調達について、もう少し詳しくお話をお聞かせください。
A  当初の自己資本は500万円で、実は確認会社(※最低資本金規制特例により、従来の最低資本金額である1,000万円よりも小額の資本金で株式会社を設立することが可能)からスタートしたんですね。その後に増資を行い、現在は3,000万円にまで増えましたが、基本的には私を応援してくださる投資家の方だったり、理念を支えてくださるベンチャーの雄だったり、自分の人脈の中から投資や取締役就任を引き受けていただいております。
 増資にあたり投資家の方々には、設立当初の私のシェアを認めていただいて投資をしてもらっています。これも自分の持論なのですが、やはりベンチャーの場合は創業者の思いが経営を引っ張っていくことが重要なため、創業者の持ち株比率を少なくするべきではない。今でも私のシェアは75%を維持できているのですが、このあたりの具体的な方法に興味のある方は、ぜひ私達の発行しているメルマガ『起業家のための資本と人材』を読んでみてください。
Q 順調なスタートですね。
A  順調ですね。まあ、つど大変ですが(笑)。増資に関しても本当に大変でしたね。投資家の方からの払い込みが完了するまでは、それはどきどきしますよね。投資してくれると言ってくれていても何かの理由で中断になることもありますしね。また自分たちの場合は、小資本かつ設立直後の事業実績がない中での増資でしたので、チャレンジングな交渉の毎日が続きました。最終的にそれを乗り切ることができたので自信もつきましたね。
 こんなわれわれを支援してくれている役員の人がベストだからこそ乗り越えられたとも思っています。明確にやりたいテーマがこの会社にあるから、多くの人が賛同してくれたと思っています。

5年間はテーマを煮詰める期間

Q なるほど。人とカネといった「資源」を会社と結びつけるのは、コンセプト=テーマである、ということですね。山本さんの場合、そのテーマはどのようにして生まれたのですか?
A  インテリジェンスに入ったときからFVCをやめるまで、合計5年間ほどかかりましたね。自分の場合起業する際のテーマというのは、すべて自分の経験の中でいろいろ考えながら生まれてきたことですね。5年間という期間は、人によっては長いという人もいるけど、自分にとっては必要最低限の準備期間、テーマを煮詰める期間であったと思いますね。
Q テーマを煮詰める期間はやはり必要だと?
A  自分の場合は、起業するとは決めているが、何をするのかを決めるのが大変だったんです。インテリジェンスも立ち上げたときにやることは決まっていなかったと聞いていますし、そういうケースでも成功することもありますが、それは本当にまれであると思います。やはり会社を作ることが目的なわけではなく、その会社で何をするかが問題ですからね。それを見つめるのに自分の場合は時間がかかったというところでしょうか。
Q テーマ設定に関するエピソードなどはありますか?
A  FVCにいたときには、投資活動のほかに、創業したいという人の相談に乗らせてもらってきました。事業立ち上げの相談などに乗っていたときに、本当にわくわくして話ができたんです。実際のビジネス活動としては、投資するかしないかの評価のほうが重要な責務なのですが、個人的にはそれよりもゼロから立ち上げる話をするほうが面白かった。その時点では儲からないけど(笑)面白い。投資の観点から言うと投資効率は最もいいと信じていますし、一番社会的に必要なことだと認識しましたね。
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